あいにくの空模様の連休ですが、門前町は観光の方たちで賑わっております。
さて、山田安心堂の斜め前には「本願寺伝道院」という一風変わった建築物があります。
観光客の方もよく写真を撮っておらる、この建物……、
明治28年(1895)年4月に設立された真宗信徒生命保険株式会社の社屋として、
明治45年に東京帝国大学教授伊藤忠太の設計、竹中工務店の施工により建築されたものです。
当初は「本館」のほか、「付属屋」、「倉庫」2棟、「物置、人力車置場、便所」、「屋根付き伝ひ廊下」が建っていましたが、現在は「本館」のみが残っています。
伊藤忠太の提唱した「建築進化論」(石材や鉄に依存しつつも欧化でも和洋折衷でもなく、
日本建築の木造伝統を進化させること)を明確に表現した建物で、
外観は古典様式に基づくものの、開口部まわりや軒まわり、塔屋の形態などはサラセン様式、
日本の伝統的な様式が用いられています。
現在は本願寺伝道院として浄土真宗本願寺派の僧侶の布教・研修の道場として使用されております。
残念ながら普段は中に入ることは出来ませんが、
外観だけでも十分素敵ですので京都にお越しの際にはぜひお立ち寄りくださいませ。